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感謝して

うちのおじいちゃんたちの年代の人は戦争を体験している。

私はご縁があって、おじいちゃんちで育ったから、戦争の話はたびたび聞いた。おじいちゃんもおばあちゃんも自分の体験をお風呂に入りながら話してくれた。

そういえば子供のときはよく3人でお風呂に入っていたなぁ。

うちは普段の会話によく人生についての話が出てきたから、家族の会話っていうのはそういうものだと思って育った。

生まれ変わりとか、そういう類いの話も普通にしていたから、特に不思議でも特別でもなくて、そういうものだった。

今、あの頃を振り返って、本当にありがたかったなと思っている。

自分の家族から普段の暮らしの中で聞いた話。

戦争の話、苦労した時代の話。

ああいう話をじかに聞くことができてありがたかったと思っている。

本で読んだり、テレビで見たりというのでは味わえないだろう重みがある。実感がある。

そういうものをたくさんのこしてくれた。そういうものをたくさんゆだねてくれた。

おじいちゃんとおばあちゃんにはずっと感謝してきたつもりだけれど、今になって、また更に感謝の気持ちがこみあげる。

食べものに感謝することを教えてくれたのもおじいちゃんだった。

戦時下、戦後と、食べ物のない時を体験したからこそ、食べられることに対する深い感謝があった。

おじいちゃんは口癖のように、「おばあちゃんのごはんと味噌汁さえあれば、あとは何もなくてもじゅうぶん」と言った。そしてごはんを一粒ものこすことなく感謝の気持ちでいただいた。ごはん茶碗にお茶をさしてお箸でお茶碗の中をきれいにして、最後にお茶を飲み干して、「ごちそうさま」。そういうおじいちゃんに育てられ、人生の話しを聞きながら、20年ほどの日々を送れたこと。それが今の私をつくったのだろう。毎日が濃かったなぁ。

おばあちゃんの毎日は、毎朝早起きして朝ごはんを作ることから始まり、昼ごはん、そして夕飯と、おさんどんに明け暮れていた。学生の頃はお弁当も作ってくれた。

ありがたかったなぁ。

おじいちゃんやおばあちゃんへの親孝行のためにも、食べものの大切さ、食べものへの感謝を、人に伝えていきたいと思う。

スウェーデンという異国で、私が何をすることになるのかまだはっきりはわからないけれど、自分なりのやり方でこれからも食べもののことを通して、できることをやり、感謝の気持ちを分かち合う機会をつくっていきたいと思っている。

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なんでも興味があって食べてみるスパーベン。私のひざの上にもよく座る。寝ている私の肩の上で寝たりもする。ちょっと宇宙人ぽい猫である。
by akiko-gf | 2012-10-31 14:47 | eating